「アンサンブル・ルシェルシュ×日本現代音楽協会共同プロジェクト」のYouTube動画『Spotted: Japan』を公開しました。
このプロジェクトは、若手作曲家を募集し、選ばれた作曲家とルシェルシュのメンバーが共に新しい作品を作り上げるという趣旨で、若手作曲家の選考は日本現代音楽協会が行いました。
前編は、向井航さん、日本現代音楽協会の伊藤彰ユース正会員の新作に加えて、細川俊夫さんのトリオ作品、後編は、前川泉さんの新作と、日本現代音楽協会の近藤譲・福井とも子両会員の作品が上演されました。
 
                
                                                                5月 26 2020
「アンサンブル・ルシェルシュ×日本現代音楽協会共同プロジェクト」のYouTube動画『Spotted: Japan』を公開しました。
このプロジェクトは、若手作曲家を募集し、選ばれた作曲家とルシェルシュのメンバーが共に新しい作品を作り上げるという趣旨で、若手作曲家の選考は日本現代音楽協会が行いました。
前編は、向井航さん、日本現代音楽協会の伊藤彰ユース正会員の新作に加えて、細川俊夫さんのトリオ作品、後編は、前川泉さんの新作と、日本現代音楽協会の近藤譲・福井とも子両会員の作品が上演されました。
4月 06 2020
2018年5月5日付で日本現代音楽協会が日本音楽コンクール委員会に対し「日本音楽コンクール作曲部門の審査会に係る変更についての要望と質問」を送付しましたが、同年10月30日に日本音楽コンクール事務局より届いた文書は十分な回答を得たと言い難いものでした。以降、日本現代音楽協会は数度にわたり回答依頼ならびに抗議文を送付しましたが、未だ運営の責任主体であるコンクール委員会から質問に対する十分な回答はいただけておりません(下記回答書参照)。
私どもは現代芸術音楽の作曲家としてこの事態を大変遺憾に感じ、この度、同じ作曲家団体である日本作曲家協議会と協力し、両団体共同で、日本音楽コンクール委員会に改めて抗議の文書を送付いたしました。

2020年3月28日
日本音楽コンクール委員会 御中
特定非営利活動法人
日本現代音楽協会
理事長 近藤 讓
一般社団法人
日本作曲家協議会
会長 菅野 由弘
抗議文
2018年度からの貴コンクールにおける作曲部門の諸変更に関して、日本現代音楽協会は、同年5月5日付の貴委員会宛ての「質問と要望」以来、これまで再三にわたって、その理由についての説明を求めてきました。
貴コンクール作曲部門の審査・選出方法のこの変更は、実質的に、作曲部門の縮小を意味しています。そのことは、本選演奏会の取り止め、そして、審査委員の人数の大幅削減からも明らかです。しかもそうした縮小は、コンクールの他の部門においては行われず、作曲部門だけを対象としたものでした。そうした変更の理由を問う日本現代音楽協会からの質問に対して、これまでのご回答では、貴コンクールが「音楽文化の向上に寄与することを目的として」いることをコンクール規約から引用したうえで、「今回の作曲部門の審査・選出方法の変更もこの趣旨に沿うものであり、詳細についてはご指摘の毎日新聞紙面 [2018年3月6日毎日新聞東京版夕刊掲載の梅津時比古氏による署名記事]でお伝えしたことがすべてです」とあるだけです。そもそも日本現代音楽協会からの「質問と要望」は、作曲部門の審査・選出方法の変更(特に、本選における演奏審査の廃止)が、コンクールの教育的意義を大きく損なうものであり、それが、貴コンクールが目的として謳う「音楽文化の向上」をむしろ妨げることになることを指摘して、善処を求めたものです。
更に、梅津時比古氏が紙上で示した変更の理由のうち、「経費の削減」以外の二理由――即ち、「本選の演奏において、譜面通りに演奏されないことが起こり得る」、そして、「譜面審査の点数と、演奏を聴いての点数に開きが出る場合がある」――について、それらが非論理的で到底納得できるものでないことを指摘した上で、第三の理由である「経費の削減」が作曲部門だけに課せられた理由についての説明を求めました。しかし、それらのいずれについても、貴コンクールは、きちんとした回答を避け続け、昨年7月20日付で差し上げた「再度、再回答のお願い」に対しても頑なに沈黙を守ったままでおいでです。
もし貴コンクールが、公に示し得る論理的な理由もなしにそうした変更を実施したのだとすれば、それは、単に「音楽文化の向上に寄与する」という貴コンクールの目的を裏切るものであるばかりか、作曲部門の軽視、ひいては、作曲というものに対する差別であると言わざるを得ません。日本現代音楽協会と日本作曲家協議会は、作曲家によって組織された団体として、作曲に対するそのような軽視と差別を看過することは到底できません。両団体に所属するすべての作曲家の総意をもって、貴コンクール委員会に対してここに強く抗議します。
3月 16 2020
第36回現音作曲新人賞受賞:柴山真太朗
この度は、第36回現音作曲新人賞を受賞させていただき、大変嬉しく光栄に思っています。また、このような機会で様々な方の作品と合わせて演奏して頂いたのも大変貴重な体験となりました。
演奏もとても素晴らしく、リハーサルで真摯に取り組んでくださった指揮の石川星太郎さん、素晴らしい演奏をして頂いた松岡麻衣子さん、甲斐史子さん、般若佳子さん、山澤慧さんにこの場をお借りして改めてお礼申し上げたいと思います。
今回の作品の創作は、テーマである「新しさとは何か」という問いかけへの答えを自分なりに編み出すことから始まりました。その上で、自分が関心を持っている視点を十分に発揮して音楽を作り出すことができ、それが結果として満足のいく物になったと自負していました。
受賞作《Turning Tuning》は、運指とポジションで音を指定し、音符を使わないTAB譜によって書かれた曲です。「新しさとは何か」という問いに全力で応えるために、自分のチェリストとしての知見を最大限に活かした曲にしようと考えた結果です。弦楽器が曲中にどんどんチューニングを変える、というアイデアもかねてから実現したいと思っていて、今回の曲のコンセプトに合致したので使用しました。今作を構成する6つのセクションは「回す、巻く」という行為に結びついたテーマを持っています(ゼンマイ式おもちゃ、ガスコンロ、など)。作曲の際に意識したのは、それらのアイデアが次々に移り変わり、まさに映写機を回すことによって物語を投影するかのごとく、どんどん違う世界に連れて行ってくれるような音楽でした。後に皆様に感想を頂いた中で、様々な方にその思いがうまく伝わっていたと感じられたのが何よりでした。
自分としては、今回のコンサートが学校などの外で演奏して頂ける初めての機会だったので、とても新鮮な気持ちでいっぱいでした。これからもこの貴重な体験を胸に、より邁進し、皆様に面白い音楽を届けられたらと思っています。
ありがとうございました。
▼第36回現音作曲新人賞審査結果はこちら。
1月 29 2020

日本現代音楽協会は2019年度に引き続き、現代音楽の上演に積極的な演奏家を支援すべく、音楽祭〈現音 Music of Our Time 2020〉の中で「ペガサス・コンサート・シリーズ」と銘打った、演奏家自身が企画・出演するリサイタルを2公演、募集致しました(締め切り2020年1月15日)。
2020年1月25日、協会事務所において、糀場富美子、佐藤昌弘、中川俊郎、松尾祐孝各理事が、オブザーバーの近藤譲理事長の立ち合いの下選考を行いました。厳正なる審査の結果、応募全18企画の中から以下の2企画を選出し、音楽祭において開催することとなりました(なお、下記プログラムでの作曲者名と曲名については、応募者による表記をそのまま用いています)。
審査にあたっては、1)原則的に1945年以降に作曲された作品であること、2)3分の1以上が日本人作品であること、3)世界初演または日本初演を含むこと、という募集条件に加え、優れた演奏技能と演奏表現力を有しており、かつ、企画のコンセプトとプログラミングの創造性、独自性の豊かさ、そして、一夜の演奏会としてのまとまりを十分に備えていることを審査基準としました。
※上記企画内容は2020年1月現在のものであり、変更となる場合があります。