福士則夫のチビテッラ日記〜第11回〜

●第11回「カップルのガイド現れる」

自動走行のミニモノレール

自動走行のミニモノレール

22日(火)の遠足は城から最も近い街ペルージャに向けて出発。この日と24日にトスカナ地方へ行く旅行のガイドに何故かイタリア人の男女のカップルが雇われてわれわれに同行する。以前ペルージャで活躍していた中田英寿が駆け回ったサッカー場の広い駐車場に車を置き、中心街には自動で運行されているミニモノレールで小高い丘を登っていく。

どれにしようか?

どれにしようか?

たどり着いた大きな教会を前にしてガイドは身振り手振りで早速しゃべり始めるがこれがしばしの間続くと、恋人らしき女性がその後に続き延々とまた説明が始まる。中心の広場へ行く途中に洒落たお菓子でウインドーを飾っているカフェーがあり此処で一服。ペルージャはディエゴが城に来る6年前まで住んでいたらしく、顔なじみの店で昼食。くだんのガイドと向かい合わせになり又もやべらべらと喋り始めるが、彼の説明ではペルージャは塩の町で栄えたらしく、日本にも塩がキーワードになっている話があるかと聞かれる。何でこいつらフランス語も出来るのだと内心舌打ちをしながら、戦国時代の英雄である山国の武田信玄に上杉謙信が塩を送って戦いが一時休戦になった話をしたが、電子辞書を引き引き、冷や汗を流しながら食べる昼食は味わっている余裕がなかった。

町の中心地にある教会ではCAMBIOが描いたフレスコ画の中に、サインのつもりなのだろうか彼の肖像画も書き込まれた不思議な絵が並んでいた。再び車に乗り込んで、郊外にある現在はネスレの経営するチョコレート工場を見学。ペルージャのチョコレートは名物の一つらしいがウンブリアといえばなんと言ってもトスカナ地方のワインでしょう、と思いつつベルトコンベアに乗ったチョコレートの行方を目で追っていく。

サンドラおばちゃんの作品

サンドラおばちゃんの作品

途中のコーヒータイムでダーラが突然消えてしまったが戻ってきたときは二人づれ。最後の一週間は家族を呼び寄せても良いのだがどうやらペルージャまでやって来た奥さんを迎えに行ったらしい。現れたのはなんと新潟生まれの生粋の日本人、驚かそうと今回の事を私に黙っていたらしい。彼の口から時々日本語の単語が飛び出す理由がようやくわかった。帰路の車中では久しぶりに聞く日本語を懐かしみながら城に戻る。23日は今回のフェロー最後のプレゼンテーションでイタリア人ヴィジュアル作家サンドラが通っている工房でのレクチャー、その後に城に戻り2度目のレクチャー。粘土に絵付けした人形が並び、映像もアニメーションの世界に近く、少女趣味的で新鮮な驚きとかインパクトに欠けていたが、アメリカなどではかなり名の通った作家らしいのは意外だった。

★次回第12回「最後の遠足」予告

24日(木)は、いよいよワイン工場。と思ったらまずはトスカナ地方で最も古い教会のあるモンテプリツァーノから始まる。ここでまた例のガイドが活躍。説明の途中に逃げ出し、一人離れて教会の回りを散策していると、自由をモットーにしているアメリカ人ベスもデーヴィーもやはり勝手に気ままにうろついていた…

更新は10月19日(水)です。お楽しみに!