第25回朝日現代音楽賞受賞の言葉〜鈴木真希子(ハープ)

suzukimakiko

第25回朝日現代音楽賞受賞

鈴木真希子(ハープ)

栄誉ある朝日現代音楽賞を賜り、日本現代音楽協会、朝日新聞社をはじめ審査委員の皆様、スタッフの皆様、これまでご指導いただいた先生方に、まずは心より御礼を申し上げます。

左から朝日新聞CSR推進部魚住さん、鈴木さん、安良岡審査委員長

左から朝日新聞CSR推進部魚住さん、鈴木さん、安良岡審査委員長

当日は、素晴らしいホールに助けられ、最後の一音まで心から楽しく演奏させて頂きました。

私が現代音楽に出会ったのは留学先のパリでした。渡仏後、初めての課題はドビュッシーとピエール・ブーレーズでした。それ以降も ラヴェルとティスネ、フォーレとフィンジィ、ルニエとサーリアホ…。私の手元には見るだけでわくわくするような譜面がいつもありました。師匠のフランシス・ピエールは現代音楽の第一人者として活躍しておりました。当日は、天国から応援してくれたのではないかと思っております。
またアンサンブル・アンターコンテンポランのアトリエに在席した頃より、現代音楽を演奏することは私にとって特別なことではなく、生活の一部になっておりました。

ハープは和声的かつ旋律的であり、ペダルアクションや様々な”モノ”の使用により多くの可能性を持っている楽器と感じております。予選会では鈴を足首に巻き、筒をハープの胴に入れてハミングする…本選会では音叉を弦と弦の間で上下させることによって2音同時のグリッサンドが可能となる…など新しい作品に出合う度にハープの新しい響きに触れ、表現できることに喜びを感じております。

最後になりますが、朝日現代音楽賞の名に恥じぬよう、そしてハープの可能性を広げる一端を担う奏者になれるよう、より一層精進して参りたいと存じます。

 

▼鈴木真希子(ハープ)
洗足学園音楽大学卒業。パリ・エコール・ノルマル音楽院高等演奏課程を満場一致で卒業。パリ国立地方音楽院を満場一致で卒業。クレ・ドール国際コンクールにて1位。留学中アンターコンテンポランのアトリエに在籍。これまでに信国恵子、杉山敦子、F.ピエール、G.プチ・ヴォルタ氏に、現代音楽をB.シルベスター、J-Mコッケ、F.カンブルラン氏に師事。