競楽XI本選出場者紹介〜若林かをり(フルート/ピッコロ)

Wakabayashi

▼本選演奏曲
Salvatore SCIARRINO/Canzona Di Ringraziamento(1984)Fl.
細川 俊夫/垂直の歌(1995)Fl.
James DILLON/Diffraction(1984)Picc.

 

前回に引き続き、今回も本選会での演奏のチャンスをいただけることを、とても嬉しく思っています。

現代作品を演奏する時の利点は、私たちと同じ「今」という時間を生きている作曲家と、直に対話できるチャンスがある事だと思います。楽譜を見ただけでは分からない事…作曲家が何を見、何を感じているのか、どんな言葉を使ってどんな話し方をされるのか…を現在進行形で知ることができるというのは、作品をより深く知るチャンスであり、作家の欲する世界観を表現する上での大きなヒントに繋がります。そして、それは何より演奏に向かう意欲を引き出してくれることだと思います。

今回、本選会で演奏いたします3作品は、どれもとても繊細です。「音がある」時間だけでなく、「音が無い」時間にも音楽が溢れています。それぞれに「笛(フルート・ピッコロ)」という楽器の魅力を生かしていて、でも各々独特な世界観を持っています。

実際に会場でお聞きいただいて、作品たちの魅力をお伝えできれば幸いです。

◎プロフィール
東京藝術大学音楽学部卒業。ストラスブール音楽院スペシャリゼーション課程(フルート科・室内楽科)、ルガーノ音楽院修士課程(現代音楽表現演奏科)を満場一致の最高評価を得て修了。卒業論文は『日本文化…時間と空間の総括概念である“間”が、西洋現代音楽にもたらした影響について』。公益財団法人ロームミュージックファンデーション、公益財団法人平和堂財団海外留学助成、奨学生。NHK-FM「名曲リサイタル」、現代音楽セミナー&フェスティバル『秋吉台の夏』、『武生国際音楽祭』への出演をはじめ、ヨーロッパやアメリカでも演奏を行う。現代音楽演奏コンクール“競楽X”第二位入賞。http://fluteusagi-kawori.cocolog-nifty.com

 

▼予選演奏曲
Franco DONATONI/NIDI due pezzi per Ottavino(1929)