小島有利子

小島有利子

KOJIMA Yuriko

1962年徳島県出身。ピアノを合田延子、金澤和孝、武田邦夫、小西和子各氏他に師事し、1985年大 阪音楽大学ピアノ科卒業。その後作曲に転向し、松下功氏に師事。1991年から10年間にわたり、ア メリカにて作曲を学び、1993年、ボストン音楽院作曲科を首席で卒業。スマ・クム・ラウデ(最優 秀賞)、ロジャー・セションズ作曲賞、アーサー・ホイットニー最高位成績賞を受賞。同校よりパ イ・カッパ・ラムダ全米名誉音楽家連盟に推薦登録された。

1994年よりコロンビア大学芸術科学大学院(GSAS)にて学び、作曲、コンピュータ音楽、音楽理論、 音楽哲学、音楽美学をトリスタン・ミュライユ、ジョナサン・クレイマー、フレッド・ラーダール、 ジョージ・エドワーズ、ブラッド・ガートン、アーサー・クリーガー、デイヴィッド・ラカウスキ に師事。授業ではエドワード・サイード、リディア・ゲール、ジョセフ・デュビエル等にも学んだ。 また、フランス・フォンテーヌブローにおいて、作曲、音楽理論、キーボード・ハーモニーをベツ ィー・ジョラス、フィリップ・ルルー、イザベル・デュハに師事。1998年、コロンビア大学院ラパ ポート作曲賞を受賞。在学中、アンドリュー・メロン財団大学院フェローシップおよび夏期フェロ ーシップ等を獲得し、コロンビア大学部にて教鞭を執りながら、同大学院より1996年に修士号(MA)、 2000年に芸術音楽博士号(DMA)を取得している。

ICMC国際コンピュータ音楽会議(1997年ギリシャ・テサロニキ大会/2005年スペイン・バルセロナ 大会/2006年アメリカ・ニューオリーンズ大会/2007年デンマーク・コペンハーゲン大会)、ISCM 国際現代音楽協会「世界音楽の日々」(2000年ルクセンブルク大会)、ACLアジア作曲家連盟「ア ジア音楽週間」(2000年横浜大会)、IAWM国際女性音楽家連盟会議(2005年マイアミ大会)など の国際大会に入選。フランス・フォンテーヌブロー音楽祭、アラスカ・クロスサウンド音楽祭、メ キシコ国際ギター音楽祭などにも招待され、アンサンブル・モデルン(ドイツ)、ザ・パールズ・ ビフォー・スワイン・エクスペリエンス(スウェーデン)、アンサンブル・アルス・ノーヴァ(ス ウェーデン)、ニューヨーク・ニュー・ミュージック・アンサンブル(USA)、アズア・アンサン ブル(USA)、ルックス・アンサンブル(USA)、曽我部清典(tp)、ジュンジャ・キム (pf)、玉井 美子(pf) などによって、作品が委嘱/演奏されている。

作品は、オーケストラ作品からアジアの伝統楽器やコンピュータを駆使したものまで幅広い。主要 作品は、15人の奏者とMax/MSPの為の「クロノスフィア」、室内楽とMax/MSPの為の「海へ」、ピ アノ・トリオの為の「エクラ・デュ・ソワール」、室内楽の為の「ガラスのピラミッド」、西洋と 東洋の楽器による室内楽作品「オールトの雲」、ピアノ独奏作品「間奏:逆光の記憶」「静寂の庭」、 二十絃独奏作品「水月」、ジャズ・クインテット作品「Jazz Drive」、電子音響音楽作品「追想」「イ ンパルスPPF」など。

音楽理論や音楽美学など、作曲家としての視点から音楽学的研究にも取り組み、ICMC(米テュレー ン大学)、EMS国際電子音響音楽学会(パリ・ソルボンヌ大学、上海音楽学院、米ニューヨーク大 学)等の国際学会において、論文発表、研究発表、パネリスト、セッション・チェア、論文査読委 員などの経験も豊富である。演奏会や講演会の企画・監督・司会・通訳の経験も数多く、2006年に は、日本で初めてのIRCAM講習会/演奏会「IRCAM Week in Japan」、2010年にはコンポージアム審 査員として来日したトリスタン・ミュライユの特別公開講座などの企画実現に携わった。

現在、尚美学園大学芸術情報学部音楽表現学科作曲コース・同大学院芸術情報研究科音楽創作分野 教授。桐朊学園大学、玉川大学非常勤講師。ICMA国際コンピュータ音楽連盟、EMF国際電子音楽協 会、IAWM国際女性音楽連盟、IRCAMフォーラム、JFC日本作曲家協議会、JSCM日本現代音楽協会 会員。EMSN-EMSAN国際電子音楽学会東アジア電子音楽研究ネットワーク代表委員を務める。

NPO特定非営利活動法人グローヴィル(http://www.glovill.jp/index.html)の創立者でもあり、理事・ 芸術監督として、国際交流を軸にした芸術音楽普及のための社会貢献事業にもエネルギーを注いで いる。