日本現代音楽協会「公募リサイタル」審査結果について

日本現代音楽協会は、現代音楽の上演に積極的な演奏家を支援すべく、〈現音 Music of Our Time 2019〉音楽祭の中で演奏家自身が企画・出演するリサイタルを「公募リサイタル」として募集していました。
5月19日協会事務局において、佐藤昌弘(審査員長)、赤石直哉、北爪道夫、渡辺俊哉各理事が、オブザーバーの近藤譲理事長の立ち合いの下で、応募全32企画の審査を行いました。
当初は2企画を選出する予定でしたが、予想を上回る応募に加え、非常に優れた内容が多いことから、さらに1企画を加え、全3公演を音楽祭において開催することとなりました。選出された公演は、以下の通りです。(なお、下記プログラムでの作曲者名と曲名については、応募者による表記をそのまま用いています。)
審査にあたり、1)原則的に1945年以降に作曲された作品であること、2)3分の1以上が日本人作品であること、3)世界初演または日本初演を含むこと、という募集条件に加え、優れた演奏技能と演奏表現力を有しており、かつ、企画のコンセプトとプログラミングの創造性、独自性の豊かさ、そして、一夜の演奏会としてのまとまりを十分に備えていることを審査基準としました。
日本現代音楽協会ではこの演奏家を公募するシリーズを“ペガサス・コンサート・シリーズ”として、来年度以降も〈現音 Music of Our Time〉音楽祭の中で継続開催していく予定です。

 

〈現音 Music of Our Time 2019〉2019年11月28日~12月19日

 

ペガサス・コンサート・シリーズ(公募リサイタル) Vol. I  No.1~3
後援:公益財団法人 サントリー芸術財団

 

(1) 染田真実子チェンバロ・リサイタル「たゆたう真珠」
2019年12月3日(火)19時開演予定|東京オペラシティリサイタルホール
【編成】 チェンバロ独奏(+一部エレクトロニクス)
▼演目
金子仁美 / 歯車~ギリシャ民謡によるA
増本伎共子 / 日々の移ろい
Jean-Patrik Besingrand / S’enfuient les ombres
金子仁美 / 歯車~ギリシャ民謡によるB
Giles Farnaby/Toy・Giles Farnaby’s Dream
向井響 / 美少女革命・転生(初演)
Ligeti György Sandor / Passacaglia ungherese
Jean-Henri d’Anglebert / Prelude en sol mineur
松宮圭太 / ダングルベール讃(改作日本初演)
[上記中、Ligetiの作品は中全音律、d’Anglebertはキルンベルガー調律、松宮は中全音律とキルンベルガー調律、そして他は平均律で演奏される。]

 

(2) 山田岳エレクトリック・ギター・リサイタル
「独奏楽器としてのエレクトリック・ギター そしてその可能性をめぐって」
2019年12月5日(木)19時開演予定|東京オペラシティリサイタルホール
【編成】 エレクトリック・ギター独奏
▼演目
モートン・フェルドマン/The possibility of new work for electric guitar
スティーヴ・ライヒ/エレクトリック・カウンターポイント
湯浅譲二/死者の驕り エレクトリック・ギターのためのプロジェクション
松平頼暁/オスティナーティ
山本裕之/中継のエレキギター
フォルカー・ハイン/なぜ、いま、(日本初演)
川島素晴/新作(初演)

 

(3) 佐藤淳一サクソフォン・リサイタル
「フランス・エレクトロニクス音楽の周辺」
2019年12月9日(月)19時開演予定|東京オペラシティリサイタルホール
【編成】 サクソフォン独奏+エレクトロニクス(電子技術:有馬純寿)
▼演目
坂田直樹/フィトリス I
田中カレン/ナイトバード
酒井健治/波と記憶の合間に-サイドA
クリスチャン・ロバ/クラウド〈第17 エチュード〉
アレクサンドロス・マルケアス/三つのウインク・リズム(日本初演)
ピエール・ジョドロフスキ/サミュエル・ベケットの最後の夢(日本初演)

 

なお、2019年12月5日に開催を予定しておりました「現代日本音楽の遺産 Vol. 1〈日本現代音楽の青春〉」は、ペガサス・コンサート・シリーズの公演に変更となりました。