リゲティ&北爪道夫作品を基に“音楽づくり”を楽しもう!参加レポート

西村 薫(クラリネット/現代音楽演奏コンクール“競楽XII”ファイナリスト

 
味府美香さんによる「現音・音楽づくりワークショップ2017 vol.4」に参加いたしました。

まず、私がこちらのワークショップへ参加に至るキッカケは、インターネットで偶然こちらの催しを見かけ、自分の母校の大学でこんな興味深いことを(しかも参加料無料で!)と思い、すぐさま参加申し込みを決意しました。
また、テーマがリゲティ&北爪道夫作品を基に“音楽づくり”を楽しもう!ということで、一見すると難しそうな内容なのですが、参加対象が音楽的な技術の有無を問わないとあるので、どのような内容で行われるのかということにも興味がありました。

実際に参加してみると、まず初めにテンポやリズムなどのズレに重点をおいた幾つかの簡単なエクササイズ(各々が手拍子でタイミングをズラすもの、各々がカスタネットを用いて拍子をズラすもの等)が行われました。ただ単にズラす作業だけが目的ではなく、そのズレによってどのような響きとなっているのか「聴くこと」も大事にされていました。ズレ合った音同士の奏でる響きにはある種の一体感のようなものを感じることが出来ました。
このズレにより生じた一体感を聴き、感じることは演奏する際にも大事な事で、今後の演奏に活かしたいと思いました。

グループに分かれて音楽をつくり作品を発表

ワークショップの後半では5つのグループに分かれて、前半のエクササイズを元にズレをテーマにした作品を各々の楽器を用いて作成し発表しました。それぞれのグループに個性が有り、それぞれ異なる作品が完成して面白かったです。

ワークショップの最後には北爪道夫先生の《サイド・バイ・サイド》を打楽器学生の石田湧次さんによって演奏されました。この作品は2連と3連のリズムのズレを用いた作品で、石田さんの演奏はその意図がとても良く表現されていて、とても素晴らしかったです。

音楽づくりワークショップには今回初めて参加させていただきましたが、参考になることが沢山あり、次回以降も是非参加したいと思いました。

ワークショップリーダーの味府美香(左)と《サイド・バイ・サイド》について語る北爪道夫(右)