現音作曲新人賞入選者からのメッセージ〜増田建太

皆様、初めまして、《樹に窓を見る》を作曲しました増田建太と申します。

この作品は、十三絃箏とソプラノクラリネットのための作品で、私にとって貴重な邦楽との出会いでした。というのも、お恥ずかしいことながら、今まで邦楽に触れる機会がほとんどなかったからです。なぜ十三絃箏を選んだのかといますと、偶然にも曽祖母が嗜んでいた十三絃箏が自宅に眠っていたのを思い出したからです。自分で触ることから邦楽の幅広い世界の入り口を見ることとなりました。

この作品は文化的背景を異にする2つの楽器を美学的に融合させることを考えて作曲しました。その融合という目標にむけて、音響上の合致という手法の力も借りました。十三絃箏の調弦は、微分音程を含む特殊なものになっています。すると、よく聴かれるような日本的な音階は登場しなくなります。しかしそのような状況でも箏が持つ十分に独特な音の表情で、日本的な香りを得ることができると思います。今回はその香りの扱いについても考えました。

恐らく、音楽を聴いていただくことで、この感覚的な問題はご来場される皆様それぞれの頭の中で解決されると思います。ですので、御覧頂いている皆様にご来場いただけましたら幸いです。私自身も当日、あの個性溢れるプログラムの中でどのように聴こえるのか、楽しみにしているところです。

最後に、この素晴らしい機会を頂き、皆様には感謝申し上げます。本選会をお楽しみに!

 

 

〈現代の音楽展2017〉
邦楽・絃楽プロジェクト

2017年33日[金] 18:00開場 18:30開演
渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホール

 

▼第一部 第33回現音作曲新人賞本選会

テーマ:邦絃楽器

伊藤 彰/好奇心ドリブン (作曲2016年初演)
田村 法子(二十絃箏) 山田 岳(ギター) 甲斐 史子(ヴィオラ)

増田 建太/樹に窓を見る (作曲2016年初演)
吉原 佐知子(十三絃箏) 岩瀬 龍太(クラリネット)

池田 萠/硝子妄想(と、その解決) (作曲2016年初演)
竹澤 悦子(中棹三味線)

原島 拓也/極彩ドロップ No.2 (作曲2016年初演)
野澤 徹也(中棹三味線) 野澤 佐保子(十七絃箏) 多久 潤一朗(フルート)

◎審査員:山本 裕之(審査員長) 新垣 隆 福井とも子

来場者による“聴衆賞”投票実施! 第二部演奏終了後講評、審査結果発表

 

▼第二部 邦絃楽器へのアプローチ

 

■チケット 全席自由
前売一般 2,500円 前売学生 1,500円
当日 3,000円
※就学前のお子様のご同伴・ご入場はご遠慮下さい。
※演奏順、曲名は変更となる場合が有ります。

日本現代音楽協会
[電話受付]月-金 10:00-17:00
03-3446-3506
[メール受付]
gendai2017(a)jscm.net ※(a)を@に変えて送信してください。

【主催】日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
【助成】一般社団法私的録音補償金管理協会(sarah)
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)
【後援】一般社団法人日本音楽作家団体協議会(fca)
一般社団法人日本作曲家協議会