“競楽XI”聴衆賞受賞の言葉〜望月豪(マンドリン)


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“競楽XI”聴衆賞受賞

望月 豪(マンドリン)

今回、初めての「現代音楽演奏コンクール“競楽”」への参加でしたが、得るものはとても多く、参加して良かったと心から感じています。本選にて、他の素晴らしいファイナリストの方々の演奏を(楽屋や舞台袖、客席にて)聴きながらそこの一員となれたことをとても光栄に思いました。さらには「聴衆賞」というお土産までいただいて感謝の気持ちでいっぱいです。

マンドリンという楽器はクラシック音楽の中でも言ってしまえばマイナーな楽器であり、楽曲の数も限られています。全体数もさることながら、今回出演されていた多くの楽器と比べても、名曲と呼ばれるような作品は歴史の中で数えるほどです。それがマンドリンの置かれていた過去の事実であり、今でもマンドリンが現代音楽を含むクラシック音楽の中に登場する機会は非常に限られています。

数年前、マンドリンのコンクール(大阪国際マンドリンコンクール)において1位を受賞した際に、私が自分に定めた次の目標はその状況を変えていくことでした。内輪に向きがちなマンドリンの業界を外に開いていく、外に繋いでいく、それを自分の使命と思って演奏活動をしていこうと決めました。

現代音楽に本格的に取り組み始めたのはそれからでした。「きっとマンドリンに素敵な曲を書いてくれる」そう思わせて下さる作曲家の方々への委嘱を始め、気付けば関わった委嘱や初演の数は50になろうとしています。もちろん、再演にも積極的に取り組んできました。

楽器の歴史を辿っていくと、ある時代にその楽器の為の楽曲が大量に書かれ、そこから数々の名作が生まれている、ということを聞いたことがあります。その背景には優れた作曲家の存在があるのはもちろんですが、同時に熱心な奏者や指導者がいるという事実があります。私はマンドリンにとって、今がその時だと思っています。そしてそこに微力ながらも自分も貢献出来たらと願っています。そういった意味で今回のこの「競楽XI」への参加はある意味で自然の決断であり、ここで色々な方々にマンドリンを知っていただけたことは私にとってとても大きな意味を持つことでした。これはあくまで通過点、もしくは一つの転機であることを意識して、今後も作曲家や他の楽器の奏者の方々との縁を大事にしながら未来に繋げていければと思います。10年経って、クラシックの演奏会にマンドリンがもっと頻繁に、自然に使われる時代が来るよう願ってこれからも活動を続けていきます。

最後にこの場をお借りして、投票して下さった皆様、競楽関係者の皆様、これまでお世話になりました皆様に心より御礼申し上げます。特に、この競楽の為に素敵な楽曲を下さった川上統さん、田口和行さん、お二人の力なくしてはありえなかった結果だと思っております。また、これまで様々な現代曲を一緒に演奏してきたマンドリンオーケストラ「リベルテ」のメンバー、そして指揮者・ピアニストとして長年サポート下さっている鷹羽弘晃さんに心より感謝の意を表します。

 

▼望月 豪(もちづき ごう)
2009年、第5回大阪国際マンドリンコンクール(マンドリン独奏部門)にて、日本人として初の第1位受賞の他、マンドリン演奏・指揮において複数の入賞経験を持つ。これまでにリサイタルを東京/大阪/パリにて開催、20を超える演奏会での協奏曲のソリストを務め、管弦楽での賛助出演や、多くの新作初演にも携わる。CDは自身が指揮・独奏を務めた「協奏曲集 四季」や「Tzigane 望月豪マンドリンリサイタル」等。片岡道子、越智敬、池谷淳子氏に師事。