北嶋愛季チェロリサイタル3月14日ベヒシュタイン・セントラム東京ホールで開催!「演奏家+作曲家コラボレーションシリーズ」

演奏家+作曲家コラボレーションシリーズ
北嶋愛季チェロリサイタル
+ Archive Viewing

2025年314日(金)18:30開場 19:00開演
ベヒシュタイン・セントラム 東京 ホール
東京メトロ日比谷線「日比谷」駅A9出口直結
JR山手線「有楽町」駅日比谷口徒歩5分)

制作:佐藤昌弘

 

毎年、東京と関西のそれぞれで開催される日本現代音楽協会主催の「演奏家+作曲家コラボレーションシリーズ」―これは、1つの楽器にスポットをあて、その楽器の優れた演奏家と、本協会会員を中心とした作曲家たちとの協働によってリリースされる、新しい形のリサイタル企画です。今年の東京公演は、国内外の現代音楽シーンで活躍されている気鋭のチェリスト・北嶋愛季氏をお迎えし、チェロの独奏、またはチェロとピアノの二重奏(ピアノ:榑谷静香)による全8曲の初演作品が、ベヒシュタイン・セントラム東京にて一挙に上演されます。北嶋氏のチェロ演奏を念頭に書き下ろされた多様な新作群が並ぶプログラムに、どうぞご期待ください。(制作:佐藤昌弘)

 

全曲新作初演
島田萌/知ること、沈黙すること、やり過ごすこと  vc
天岡寛晋/CAPRICCIO  vc, pf
滝川小晴
/水鏡  vc
甲田潤/断章 vc, pf
門脇治/ゴシュゴシュ(改訂版)vc
伊藤高明/第3の迷宮 vc, pf
平良伊津美Green IV  vc
佐藤昌弘/Nocturne III  vc, pf

●ピアノ:榑谷静香

 

インターネット配信実施
ネット視聴チケット(¥1,000)をご購入の上こちらで視聴申込みを行って頂くと、リサイタル翌日から10日間、公演の録画映像をご視聴頂けます。3月3日(日)までに視聴申込みを完了した方は生配信でもご覧になれます。なお、視聴者の受信環境や、配信システムのトラブルにより、映像や音声の乱れ、公演の一時中断、途中終了の可能性があります。予めご了承ください。

 

Ticket Information

クレジットカード、コンビニ払い、キャリア決済、銀行振込、Amazon Pay、Pay-easyで購入可

▼座席チケット 全自由席 ※未就学児入場不可
一般2,500円ネットで購入
学生1,000円ネットで購入

▼ネット視聴チケット
1,000円ネットで購入

電話で購入 ⇒ 03-6417-0393(日本現代音楽協会/月-金 10:00-17:00)

 

主催:特定非営利活動法人日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
後援:一般社団法人日本音楽作家団体協議会

 

北嶋愛季(きたじま・あき)チェリスト・保育士・パフォーマンスコーチ。2013/14アンサンブル・モデルン・アカデミー生。現在、放送大学教養学部 (心理と教育コース)在籍。 バロックとモダン2台のチェロによる独奏演奏会を東京、フランクフルト、ミュンヘンで定期的に開催。国内外の現代音楽祭や演奏会に多数出演。即興デュオOKA-ARUKI、近現代作品を演奏するトリオみのりて、親子向け演奏会を行うciel各メンバー。https://www.akikitajima.com

「ペガサス・コンサート Vol.VII」リサイタル企画&主演者募集!

募集要項のpdfはこちら

 

フォーラムコンサートレポート

現音 Music of Our Time2024のフォーラム・コンサートは、11月28日と11月29日の2夜にわたり
開催されました。
今回は出品者のレポートをお送りいたします。

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山下現代音楽賞 現代音楽演奏コンクール“競楽XVI”第1位受賞の言葉〜伊勢宥奈(ヴァイオリン)

 この度、山下現代音楽賞 現代音楽演奏コンクール“競楽XVI”にて第1位という結果をいただく事ができ、本当に嬉しく思います。この“競楽”というコンクールは1945年以降の1〜6名までの編成の楽曲であれば自由に自分の魅せ方をプロデュースできる他に類を見ないコンクールです。

 私は学生時代から現代音楽に強い興味を持っていましたが、公の場での演奏機会がなく、競楽の存在を見つけた際『このコンクールに参加すれば公の場で現代音楽を演奏する事ができる!しかも素晴らしい審査委員の方々に聴いていただける!』と思い、応募させていただきました。

 いざ参加してみると楽器や編成、楽曲も本当に多種多様だと感じましたが、予選からスタッフの方々が隅々まで丁寧にサポートしてくださり(特にステージの配置など)本選でも照明の細部のこだわりまで要望を聞いていただき、参加者に寄り添って対応して下さいました。スタッフの方々のご協力に深く感謝申し上げます。

 予選では、いつか挑戦してみたいと思っていた西村朗先生の「無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番〈霊媒〉」、本選では、私がこれから現代音楽に取り組むにあたって自分の糧となり、挑戦にもなるIannis Xenakisの「Mikka《S》」、そして自分にとって現代音楽の入り口となり、今大会で絶対に演奏しようと決めていた細川俊夫先生のヴァイオリンのための「ウィンター・バード」を演奏させていただきました。それぞれの作品には本選での意気込みでも書かせていただいたような、テーマや特色、作曲家の個性が色濃く反映されています。

 自分にとって現代音楽を演奏することは、その作品の個性と向き合う事、作品の力を観客に伝えるためにどんな風に魅せるのか、舞台上では”伊勢宥奈”という殻を突き破って、何がなんでも作品のエネルギーを伝えなけばならない責任があると思います。これはマティアス・ピンチャー氏の言葉をお借りしたもので、「サントリーサマーフェスティバル2021 サントリーホール国際作曲委嘱シリーズNo.43 作曲ワークショップ」にてピンチャー氏が仰っていた、「作品が作曲者から奏者の手に渡った瞬間に、責任も奏者にバトンタッチする」という言葉で、強く感銘を受けたと同時に、私にとって生涯忘れられない言葉となりました。この言葉を常に心に留めて作品と向き合っていきたく思います。

 私が現代音楽という素晴らしい世界に足を踏み入れることができたのは友人達と先生方のおかげであり、私一人では今回の受賞まで辿り着く事ができませんでした。最後になりましたが、審査委員の先生方、日本現代音楽協会の皆様、そして現代音楽の世界へ導いてくれたすべての方々に心から感謝申し上げます。

▼山下現代音楽賞 現代音楽演奏コンクール“競楽XVI”審査結果はこちら

第41回現音作曲新人賞受賞の言葉〜奥田也丸

松平敬(バリトン)佐藤まどか(ヴァイオリン)及川夕美(ピアノ)

 この度、第41回現音作曲新人賞および全音賞を受賞いたしました奥田也丸と申します。拙作がバリトンの松平敬様、ヴァイオリンの佐藤まどか様、ピアノの及川夕美様という素晴らしい演奏家の皆様により演奏していただきましたことを、心より嬉しく存じます。また、このような機会を賜りましたこと、事務局や全音楽譜出版社をはじめ関係者各位に深く感謝申し上げます。

 本選会に選ばれた御三方の作品を拝聴し、大変刺激を受けました。私は大学でも大学院でも声楽を専攻しておりましたため、古典的な歌曲の技法以外の声楽の使用法について考えたことがありませんでした。しかし、御三方の作品は、声楽を他の楽器と対等な関係で扱い、自由な形式で書かれていました。そのうえ、歌詞も誦文、意図的に平易で短く書かれた文章のリフレイン、ヴォカリーズなど、私では到底思い付かないような新鮮なアイディアに満ちており、非常に良い刺激を受けました。

 「現音」作曲新人賞という名の通り現代音楽の作曲賞ですが、拙作にはラヴェルや原始主義時代のストラヴィンスキー、メシアンの影響が随所に見られ、意図的に保守的な書法を採用しています。本作品の詩が上梓された1925年頃の音楽に少し合わせたという理由もありますが、最も重要なのは、音の鳴っていない瞬間を印象付けるために鳴っている音のインパクトを抑えたことです。

 採用した詩は萩原恭次郎の『死刑宣告』に収録された「ラスコーリニコフ」です。この詩に登場するラスコーリニコフは、ドストエフスキーの『罪と罰』の主人公であり、高利貸しの老婆を斧で殺害する人物です。音楽を奏でる際も斧を振りかざす際も予備動作が生じますが、両者にはその意義に大きな違いがあります。音楽の予備動作は一般的に「ブレス」として肯定的に捉えられるのに対し、斧の予備動作は気付かれると目的を果たせません。本作品では意図的に予備動作を減らし、不規則な休符や前触れのないテンポの変化、演奏しにくい音型などを通して、演奏者や聴衆に違和感や不快感を喚起するよう工夫しました。

 また、今回の作曲賞を通じ、多くの刺激を受けただけでなく、作曲家同士や演奏家の方々との交流が生まれたことも、大きな収穫でした。公正かつ質の高い作曲賞を実現された事務局や審査員の皆様に改めて感謝申し上げます。本作品は全音楽譜出版社から出版される予定ですので、楽譜を通じてその意図や構造を感じていただければ幸いです。また、この作品が再び演奏される日を心待ちにしております。

 今回新設された全音賞を最初に受賞するという大変な名誉を頂戴し、より責任を持って作曲活動に励む所存です。現代音楽の可能性を追求しつつ、多くの方々にその魅力をお届けできるよう、引き続き努力してまいります。この度は誠にありがとうございました。

 

▼第41回現音作曲新人賞審査結果はこちら