競楽XIII本選出場者紹介〜上路実早生(ピアノ)

▼本選演奏曲
藤倉 大/Etude II “Deepended Arc”(1998)
鈴木 純明/白蛇、境界をわたる(2008)

6年前に初めて競楽に足を運び、今まで聴衆の立場としてこのコンクールを楽しんでおりました。今回初めて出場者として参加し、本選での演奏の機会を頂けたことを、心より嬉しく思っております。
最初に演奏する藤倉大氏の作品は、自然倍音列が幾度となく現れ、響きがドラマティックに拡大していく作品です。
続いて演奏する鈴木純明氏の作品は、蛇の姿を模したツィルクラツィオのフィグールが特徴的で、また随所にベートーヴェンのピアノソナタのフレーズが引用されます。
演奏という行為は、クラシック音楽においてはしばしば「再現芸術」と見做されますが、私は、その作品の本質を見極め、それに向き合うことが最も重要な事だと考えております。単なる楽譜の「再現」にととまらず、作品が持っている魅力を最大限に引き出すことができるよう臨みたいと思います。

◎プロフィール
昭和音学大学、及び同大学院を学長賞を得て修了。これまでに小山田祥子、添田哲平、西川美知子、白石光隆、中川賢一、菊地裕介、松岡淳、江口文子の各氏に師事。第34回ピティナ・ピアノコンペティションG級全国決勝大会入選。第27回大曲新人音楽祭コンクールピアノ部門最優秀賞受賞。近年は、有田正広氏による公開講座でのデモ演奏などを務める。現在、昭和音楽大学伴奏研究員。

▼予選演奏曲
Tristan MURAIL/La mandragore(1993)