第13回現代音楽演奏コンクール“競楽XIII”第1位受賞の言葉〜白小路紗季(ヴァイオリン)

長年憧れていた“競楽”にやっと挑戦する事ができて、このような結果をいただき、本当に夢を見ているような気持ちです。
本選では、自分の出番の後の第二部からすべて客席で聴くことが出来たのですが、こんなにコンサートに夢中になった事があったかなという程、一時も目も耳も離すことができないでいました。

“競楽”ではこのコンクールのスタンス上、演奏自体ではなく自分の決めたプログラムの魅力を最後まで研究しようと思い、直前まで楽譜を読み返しました。そうしていくうちに、曲へのイメージが常に更新されていって、解釈に完成というものはないと改めて気づかされました。
また現代音楽は新しい技術との出会いというのも大きくて、試したこともないような運指やボウイングの練習を始められるというのも、準備している中での楽しみでした。
演奏は永遠に進化できるということを痛感できたのが、今回の参加を通じて一番大きかったです。競楽に年齢制限がないのも、そのためなのかなと考えております。

現代音楽では実際に作曲家の方とお会いして、その方の持つキャラクターや世界観を感じ取ることができるのも、奏者の楽しみのひとつだと思います。
譜面だけ見ると非常に遠い存在に感じますが、実際にお会いしてお話を伺うと、意外なほど楽譜と距離を縮めることができます。この面白さは、演奏する私たちの最大の特権です。
競楽での出会いを機に、これからよりたくさんの作曲家の方たちと触れ合う事が出来れば、こんなに嬉しいことはありません。

最後になりますが、審査委員の先生方はじめ事務局の皆様、これまでご指導してくださった先生方に心よりお礼申し上げます。

 

白小路紗季(ヴァイオリン)
桐朋女子高等学校、東京藝術大学卒業。メニューイン国際ヴァイオリンコンクールジュニア部門入賞後、ABC新人オーディションに合格。Delirium Ensembleのヴァイオリン兼ヴィオラ奏者としてCaspar Johannes Walterを始め数多くの作曲家の作品を『ワルシャワの秋』音楽祭等で初演。べルン芸術大学特別修士課程現代音楽科在籍。石川誠子、原田幸一郎、神谷美千子、漆原朝子、Tianwa Yang、Jörg-Wolfgang Jahnの各氏に師事。