競楽XIII本選出場者紹介〜吉川裕之(クラリネット)

▼本選演奏曲
Paul MÉFANO/Involutive…(1959)
湯浅 譲二/クラリネット ソリテュード(1980)

この度は競楽の本選で演奏する機会をいただき、大変嬉しく思います。無伴奏クラリネットの音楽の魅力をお伝えできたらと思います。
Paul MÉFANO作曲の《Involutive…》は、フラッター奏法の扱いが特徴的な作品です。通常暴力的になりがちなフラッター奏法を弱音から様々な使い方をしていて、よりコントラストの激しい音楽を作り出しています。また作品全体を通して弱音が多用された、繊細な作品になっています。
湯浅譲二作曲の《Clarinet Solitude》は、こちらは重音が特徴的な作品です。きれいなハーモニーが鳴る重音もあれば、刺激的な音がする重音もあり、それらが効果的に使われている、クラリネットの可能性を追求した作品になっています。
どちらも繊細な作品です。この2作品の魅力と共に、繊細かつダイナミックな、クラリネットの魅力もお伝えできたらと思います。

◎プロフィール
高校卒業後に渡仏。フランス国立リュエイユ=マルメゾン音楽院クラリネット科を卒業後、フランス国立オーベルヴィリエ・ラクールヌーヴ音楽院バスクラリネット科、室内楽科を卒業。これまでにクラリネットを松本健司、伊藤寛隆、エマニュエル・ヌヴー、ミシェル・アリニョン、フローラン・エオー、アラン・ダミアン、ヴァレリー・ゲルーの各氏に師事。2002年欧日音楽講座にて奨励賞を受賞。2007年UFAM国際音楽コンクールにて2位受賞。

▼予選演奏曲
Edison DENISSOW/Sonata for Clarinet(1972)