第28回現音作曲新人賞は酒井信明さん《Nana》に決定【日本現代音楽協会プレスリリース11/25】

第28回現音作曲新人賞表彰式

後列左から、佐藤昌弘事務局長、山本裕之審査員、近藤譲審査員長、野平一郎審査員、坪能克裕会長、前列左より、富樫康夫人、旭井翔一、渋谷由香、酒井信明、松浦伸吾

2011年11月24日(木)18:00より東京オペラシティリサイタルホールに於いて「第28回現音作曲新人賞本選会」が行われました。

応募総数32作の中から譜面審査を通過した4作を演奏し、審査員長近藤譲、審査員野平一郎・山本裕之による厳正な審査の結果「第28回現音作曲新人賞」に、酒井信明さんの《Nana》が選ばれました。講評、結果発表の後、日本現代音楽協会会長坪能克裕より、賞状と副賞の賞金15万円が授与されました。

審査員が今後に期待する作曲家に贈る「富樫賞」には、渋谷由香さんの《不均等音律による6つの風景2》と松浦伸吾さんの《霧中の紅》の2作が選ばれました(賞状、賞金10万円を分割授与)。「富樫賞」は、音楽評論家、故・富樫康氏の篤志により設立された審査員特別賞で、表彰式において富樫康夫人が副賞を贈呈しました。

また、今回より「聴衆賞」を新設しました。来場者による投票の結果、渋谷由香さんの作品が「聴衆賞」選ばれました。※1

次回「第29回現音作曲新人賞」は、佐藤眞(審査員長)、坪能克裕、福士則夫諸氏の審査員によって開催の予定です。募集テーマは「指定された楽器の任意の組み合わせによる3奏者以内の室内楽作品」です。詳細は2012年2月頃、当協会ウェブサイト www.jscm.net 等で発表致します(第28回の募集要項はこちら)。

 

※1▼インターネット配信のお知らせ

「第28回現音作曲新人賞本選会」の録画VTRをインターネット配信致します。配信日時につきましては後日当協会ウェブサイト www.jscm.net にて発表致します。

当本選会はインターネット生配信を行いましたが、配信開始から約37分後、上演3曲目で電波トラブルが発生しました。バックアップ回線による復旧を試みましたが、以後配信が不安定となりました。

当初、1曲につき1回、画面に「キーワード」を表示し、4曲全てのキーワードを確認して全曲をご視聴頂いた方を対象に「1.記名、2.キーワードの記入、3.推薦理由を明記」する形式による「聴衆賞」のインターネット投票も受け付ける予定でしたが、上記の理由により中止させて頂きました。

 

酒井信明

▼第28回現音作曲新人賞受賞

酒井信明《Nana》作曲2008年/初演
Nobuaki SAKAI/ Nana

三重奏といってもいろいろな組み合わせが考えら れますが、普通の意味では音楽的に調和しがたい と思われる三つの楽器をあえて選ぶことで逆に何か 書けそうな気がしたというのが、この作品を書くは じめの動機だったように思います。 “Nana”とは、たまたま楽章が七つあるから“なな” と名づけました。なにか日本語であることがこの作 品のタイトルにはふさわしいように思います。楽章 が七つあるにもかかわらず演奏時間は比較的短く、 全体で七分程度です。短い楽章は 18 秒程度で、 この短さはこの作品の特徴の一つとなっています。

Profile:1976 年兵庫県生まれ。大阪芸術大学 音楽学科を経て京都市立芸術大学音楽学部作曲専 攻を卒業。松永通温、中村典子の各氏に師事。

 

現音・特別音楽展2011「世界に開く窓〜古往今来」第1部:現音作曲新人賞本選会
2011年11月24日(木)17:30開場/18:00開演
東京オペラシティリサイタルホール

旭井 翔一/水曜日の夢 [作曲2011年/初演]
多久 潤一朗(フルート) 上畠 善男(オーボエ) 永田 由貴(コントラバス)

渋谷 由香/不均等音律による6つの風景2[作曲2011年/初演]
竹内 弦(ヴァイオリン) 藤原 歌花(ヴィオラ) 多井 智紀(チェロ)

酒井 信明/Nana [作曲2008年/初演]
多久 潤一朗(ピッコロ) 星野 沙織(ヴァイオリン) 福井 弘康(バスーン)

松浦 伸吾/霧中の紅 [作曲2011年/初演]
竹内 弦・星野 沙織(ヴァイオリン) 兼重 稔宏(ピアノ)

審査員長:近藤 譲 審査員:野平 一郎山本 裕之

 

★本選会の模様は日本現代音楽協会facebookページにて掲載中。