現音作曲新人賞入選者からのメッセージ〜山本雄一

 

yamamoto1初めまして。この度の「第31回現音作曲新人賞本選会」で作品が演奏されることとなった山本雄一と申します。僕はまだ作曲の勉強を始めて4年目の初心者なので、今回、自分の作品が本選に残った知らせを聞いた時はとてもビックリしました。

技術も経験もほとんどない僕がこのようなコンクールに応募するのは無謀な事のように思えましたが、今回のコンクールのテーマが「ピアノ曲」と知った時、それならば経験の浅い自分でもアイデア次第では行けるかもしれないぞ、と思い、散々奇策・珍策を考えた挙句、2台のピアノを片手ずつ弾くという陳腐な発想をしました。

その後、この陳腐な発想をただの奇を衒ったイロモノにしない為に、「そういう弾き方をする必然性のある音楽」を後付け的に考えました。

僕は、普段からコンセプチュアルな作曲をする傾向にあり、大体ほとんどの作品において創作ノートを作る過程を非常に大事にしています。

現音2e今回も、実際に五線紙に向かっていた時間より、ファミレスでハサミとノリを片手に大学ノートに向かっていた時間の方が長かったように思います。

結果的にノート6ページ分くらい、僕にしか通じない謎の記号やら造語やらを書き散らした所で、そろそろ書き始めないと間に合わないことに気づいて、しぶしぶ纏まりきっていないアイデアを五線上に起こし始めて、約2日で楽譜は完成しました。

創作ノートに書き溜めたアイデアの中には、実際に書き始めてから破棄した物もありましたし、逆に、書きながら新しい発想をした時には躊躇なく盛り込んだりしました。

一見無駄な作業のように見えるかもしれませんが、大海原を行く船における羅針盤のように、創作ノートは僕に常に自分の書いている方向を思い出させてくれます。

今回は「宇宙」を題材としつつ、出来るだけ、“One big flow”となるように心がけて作曲しました。
本選会をどうぞお楽しみください!

 

 

〈現音・秋の音楽展2014〉
第31回現音作曲新人賞本選会
テーマ:ピアノ

2014年1023日(木)18:00開場/18:30開演|東京音楽大学100周年記念ホール

 

プリント(1) 守屋 祐介/2つの小品 (作曲2014年/初演)[編成:2Pf]

(2) 樋口 鉄平/Sanctuary for piano solo (作曲2011-2012, 2014年/初演)[編成:Pf]

(3) 山本 雄一/2台のピアノと3人の奏者の為のコスモフォニー (作曲2014年/初演)[編成:2Pf, 3players]

(4) 旭井 翔一/テクノ依存症 (作曲2014年/初演)[編成:2Pf(Pf1=4hands)]

ピアノ:菊地 裕介(2)(3)(4)・篠田 昌伸(1)(3)(4)・藤原 亜美(1)(3)(4)

【審査員】 山内 雅弘(審査員長)金子 仁美 中川 俊郎

※修学前のお子様のご同伴・ご入場はご遠慮下さい。演奏順は変更となる場合があります。

 

チケット:全自由席 一般2,000円 学生1,000円

主催・チケット・お問合せ:日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
TEL: 03-3446-3506 E-Mail: aki2014(a)jscm.net

後援:一般社団法人日本作曲家協議会
助成:一般社団法人日本音楽著作権協会
協力:東京音楽大学