競楽XI本選出場者紹介〜望月 豪(マンドリン)

mochizuki

▼本選演奏曲
田口 和行/Ice Trick(2014)
近藤 譲/早春に(1993)
川上 統/Black Ghost(2014)

 

マンドリンはリュートに起源を発し、例えばヴィヴァルディやベートーヴェンといった作曲家に曲を書かれながらも、あまりクラシック音楽の陽の当たる所には顔を出さないままに歩んできました。それだけにマンドリンのレパートリーは限られており、また主要な作品はマンドリン専門家によるものというのが現状です。私はこのレパートリーの充実の為には現代の作曲家の方々に曲を書いてもらう他ないと考え、委嘱活動をしています。後に歴史を振り返った時に、この21世紀がマンドリン音楽充実の重要な転換期となってくれることを強く願って演奏しています。

《Ice Trick》と《Black Ghost》の委嘱に際しての田口和行氏、川上統氏とのやり取りは私にとってとても楽しいものでした。どちらもマンドリンの魅力を十分に引き出してくれる作品です。今回はここにマンドリンの大事な財産である近藤譲氏の”早春に”を加えて私のプログラムとさせていただきます。

◎プロフィール
2009年、第5回大阪国際マンドリンコンクール(マンドリン独奏部門)にて、日本人として初の第1位受賞の他、マンドリン演奏・指揮において複数の入賞経験を持つ。これまでにリサイタルを東京/大阪/パリにて開催、20を超える演奏会での協奏曲のソリストを務め、管弦楽での賛助出演や、多くの新作初演にも携わる。CDは自身が指揮・独奏を務めた「協奏曲集 四季」や「Tzigane 望月豪マンドリンリサイタル」等。片岡道子、越智敬、池谷淳子氏に師事。

 

▼予選演奏曲
Regis CAMPO/Caracolo(2004)
田口 和行/a frozen doll(2012)