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ボストン便り (3) 〜会員:深澤舞

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 ハーバード大学の校舎や敷地が並ぶHarvard Squareは、学生さん向けのカフェやレストラン、お店や書店などが並ぶ、のどかで賑やかなエリアです。そのHarvard Squareには3つの映画館が点在していて、映画好きな人々にとっても楽しい界隈となっています。

 ひとつは5つのスクリーンを擁するHarvard Square Theatreという映画館で、新作映画や3Dの映画などもいち早く上映されます。新しい映画館かと思っていたのですが、オープンは1926年。たしかに、壁面に描かれた絵や看板の黒文字にも、積もってきた年月を感じます 。 (ロビーで販売されているドリンクやポップコーンの巨大さには、目を見張ります!) 今年、3D作品が公開されるようになってから、これまで以上にチケット売場で行列を見かけるようになりました。

 ハーバード大学が面する閑静な坂道にあるのが、Carpenter Center、ハーバードの視覚芸術センターの建物です。その地下階がHarvard Film Archiveとなっており、日替わりで様々な映画が上映されています。監督やカメラマンの方など、その映画の制作に関わったゲストの登場も多く、昨年の吉田喜重監督の特集上映では、吉田監督が、上映作品で主演されていた奥様の岡田茉莉子さんと来米されました。緑と打ち放しのコンクリートの共存が美しいこの建物は、コルビジェの北米唯一の、そして最晩年の設計です。

 そしてもうひとつが、今年120歳になるThe Brattle Theatreという味のある単館映画館。村上春樹さんのエッセイにも登場しているそうです。独自の視点から組まれる特集上映のほか、イベント、オークションなど様々なイベントが行われています。春先に黒澤明監督の生誕100年を記念しての特集上映がありましたが、数年前にはジブリの回顧上映もあったそうです。こちらはNPOとして運営されていて、寄附やメンバーの会費も大切な運営資金となっており、運営委員にはデイヴィット・リンチ監督も名を連ねるユニークな映画館です。

 設営、上映内容や企画も様々な映画館たちが、それぞれに街や人と密着しながら共存し、映画界を深く支えていく力強さを感じます。(Brattle Theatre独特の古く懐かしい空間、シネスイッチ銀座や渋谷シネマライズなど、日本でよく足を運んだ映画館が恋しくなる雰囲気です) 先日、Brattle Theatreからのメールで、上映のない期間、スペースを貸し出しているとのお知らせがありました。ここのスクリーンの手前には、ステージのようなスペースがあるのです。音響は難しそうですが、こうしたスペースでの音楽の企画も面白そうだなと、密かに想像をめぐらせています。

(2010.8.14.)


左上:Harvard Square Theatre  http://cinematreasures.org/theater/484/
右上:Carpenter Center/Harvard Film Archive http://hcl.harvard.edu/hfa/
右下:The Brattle Theatre  http://www.brattlefilm.org/
左下:ハーバード大学構内。休日はお散歩や観光の方たちで賑わっています。

ニューヨーク頼り?(2)

tt事務局員です。

ニューヨークには行った事も無いし、好きとか、こだわりがある訳では無いのですが、深澤さんの「ボストン便り」のオマケで、こちらも「その2」をお届けしたいと思います!

先日「ニューヨーク市内に60台のピアノを設置」というブログを書きましたが、こういうのは「パブリックアート=公共アート」という概念になるのだと思います。

ニューヨークの街中や地下鉄等には、公共アートが沢山あるみたいですね。美術館に整然と飾られるのではなく、街の中に同居するそれらの作品たちは、微笑ましかったり、面白かったり、ビックリしたり、はたまた空気のような存在だったり。

ニューヨークを中心に活躍している公共アート作家がいます。私はこの方の作品が好きです。

興味がわいた方、下記のオフィシャルサイトをどうぞ↓

http://www.tomostudio.com/


音楽における公共性は…? いろいろ考えてみると面白そうです。

ボストン便り (2) 〜会員:深澤舞

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 7月4日は独立記念日の祝日で、毎年、街の中心を通るチャールズ川沿いで大きなイベントが開かれます。クライマックスは、日暮れと共に始まるボストン・ポップス・オーケストラの野外コンサートと、それに続く打ち上げ花火。「1812年序曲」の最後の大砲の音に、打ち上げ花火の音が加わり、今年も大歓声に包まれました。

 このチャールズ川が流れ込む海に面して、ICA Boston (The Institute of Contemporary Art/Boston)が建っています。海に広く面した外のテラスがカフェになっており、前回行ったときには、ガラスの建築と海とを背景に、トリオが演奏している最中でした。このカフェはアメリカで人気の高いシェフがプロデュースしているそうで、 企画展のない時にも、このカフェや演奏を目的にICAを訪れる人も多いそうです。

 ボストンに来る前は2年ほどロンドンにいたのですが、こちらは緑豊かな街の中心部にICAがありました。ピカソや同年代の画家、詩人たちが「半ばクラブのような形で」発足させたICA Londonに、今は劇場、フィルムセンター、ギャラリー、演奏会や講演会に使えるスペースなどが詰まり、イギリスらしい重厚な建物から様々な「現代」が発信されています。アートブックストアやバーのコーナーもあり、「クラブナイト」が催される週末は夜中まで開いているのです。ギャラリーとバーに続くスペースで現代音楽のコンサートが行われていたのですが、扉は演奏中も開かれたまま。その音世界に誘われ、ギャラリーで写真展を見ていた人やバーにいた人が(グラスをそのまま片手に)覗きにきて、思い思いに腰かけ、初演の場や作曲者との会話を楽しんでいました。自然に囲まれたひと続きの空間で、多様な「現代」の 形を自由に行き来する光景、そして、おいしいお茶やお酒を飲みに、公演を観に、写真集を買いに・・と出かけた先々に、現代音楽への扉のある光景が、これからの豊かな可能性を予感させてくれます。

▼ICA Boston
http://www.icaboston.org/

▼ICA London
http://www.ica.org.uk/

 ボストンも夏らしいお天気が続いています。昨年は10月に初雪だったのですが、数ヶ月後にまた雪になるとは思えないような、満天の陽射しです。

(2010.7.19.)

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tt事務局員 (07/23 21:29) 編集・削除

夏のボストンの風景が目に浮かびますね!

それぞれの国、それぞれの街に、それぞれの良さがあると思います。

『ボストンはいいなぁ〜』『ロンドンはいいなぁ〜』って想いをめぐらせて、『日本だったら何が出来るだろう?』『自分の街だったら何が出来るだろう?』って考えますね。

良いものに触れるとどんどんイメージが膨らみます。そのイメージをクリエイターたちが形にして、多くの人がそれに触れて、感じて、また素晴らしいイメージが膨らんで行く。そんな豊かさが生活の中にあると良いな、と思います。

ニューヨーク頼り?

tt事務局員です。

最近、ニューヨーク市内の路上や公共施設に、計60台のピアノが設置されました。カラフルに装飾されたそのピアノたちを、何時でも、誰でも、自由に弾いて良いんだそうです。

街のあちこちににポップなピアノが60台も置いてある! それだけでもワクワクドキドキ! そしてそれ自体が巨大なインスタレーション作品でもあるわけです。

ニューヨークは、街の中で演奏するには申請と許可が必要です。でもこのピアノは別。市民はピアノを囲んで音楽を楽しみ、輪が広がり、交流が深まっているようです。ビートルズ、ベートーヴェン、子ども、カップル、プロ、朝も夜も、毎日街のあちこちで、人々から何かが生まれています。

▼AFP通信による動画ニュース

http://www.youtube.com/watch?v=pdJ6MR05sck&feature=channel

これは、イギリスの芸術家とアメリカのボランティア団体が共同で企画したもので、これまでにも世界各地で同じプロジェクトが行われています。

「芸術家だからできること」というものがあると思います。


日本現代音楽協会の「現代音楽教育プログラム研究部会」は今、神奈川県の小学校で、子どもたちと音楽をつくるワークショップを行っています。この模様は後日現音ブログで紹介する予定ですので是非ご覧下さい。

ボストン便り (1) 〜会員:深澤舞

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 現音ブログをご覧の皆さま、こんにちは。作曲の深澤舞と申します。2006年の「器楽アトリエ」に初参加させて頂いてから日本を離れ、現音の演奏会もご無沙汰してしまっておりますが、遠方より楽しく拝見している現音ブログに、私も寄稿させて頂くこととなりました!ちょうど丸2年になるボストンの街のこと、今勉強している音楽院でのことなど、少しずつお届けさせて頂けたらと思っております。どうぞよろしくお願いします。

 昨夏からBerklee音楽院で勉強しており、ボストン・シンフォニーホールやRed Soxのフェンウェイ球場からすぐの場所で、日々刺激を頂いています。この学校は作曲や演奏の他、映画音楽、電子音楽、エンジニアリング、マネージメント、音楽教育、音楽療法・・など専攻も幅広く、先生や学生さんのバックグラウンドも多様です。「どんな音楽をメインにやってきているの?」とは、普段よく交わされる会話ですが、クラシックだったり、ジャズだったり、自国の民族音楽だったりと、本当にさまざま。そうした会話を反映するように、学校では(そして街でも)アメリカで育まれたジャズ、アフリカの音楽、インド、中近東、アジアの音楽などに並んで、クラシック音楽も同じ存在感でごく自然に肩を並べ、弾く人も聴く人も自在に行き来して楽しんでいます。長音階と短音階は、ジャズでは数ある旋法の中の1つでしかなく、現代音楽の楽譜で目にとまる微分音はアラブの音階で当たり前に使われていて、音楽の縦糸と横糸が思いがけない繋がりを見せてくれます。自分なりの焦点に合いやすくなっていたメガネをふと外されるような感覚と、音楽という世界の広大さを、改めて体感する日々です。

 写真はアメリカ最古の公園といわれるBoston Commonです。毎年夏になると、ロミオとジュリエットという白鳥のつがいが、子育てのためにこの湖にやってきます。2羽の到着の日は、毎年ジャズバンドが演奏して迎えるのだと記事になっていました。冬はマイナス20度まで下がるボストンも、今は初夏のよい季節がやってきています。

(2010.6.23.)

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tt事務局員 URL (06/24 14:27) 編集・削除

ボストン在住の会員作曲家、深澤舞さんの連載がはじまりました!

自然、人々、音楽…。
深澤さんの文章と写真から広がるイメージ…。

今まさに脳内ボストン生活が始まったtt事務局員!今後ますますボストンっ子になることでしょう(笑)。これからのお便り楽しみですね。

▼深澤舞ウェブサイト
http://www.maifukasawa.com

現音ブログでは、今後も会員の活動やメッセージ、動画配信なども進めて行く予定です。お楽しみに!

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