創立80周年記念「新しい音楽のカタチ」上演曲発表!


日本現代音楽協会創立80周年を記念して開催する音楽祭「新しい音楽のカタチ」上演作を協会内外から広く募集しておりましたが、この度、多数の応募作の中から下記の作品の上演が決定しました。80年の歴史を振り返るアンソロジー作品も加え、2012年1月21日〜22日の2日間、全5コンサートに亘って上演致します。

ボーナスコンサートやワークショップの開催も予定しており、土日の2日間にたっぷりと、様々な「新しい音楽のカタチ」が楽しめるイヴェントです!

 

2012年1月21日(土)3公演

▼室内楽 I 〜winds〜 制作:安良岡 章夫

★伊藤 謙一郎/”Glide – Grade – Grain” for Clarinet Solo(2010/初演)
植野 洋美/新作(2011/初演)
田丸 彩和子/In The Darkness for clarinet solo -Homage to Kajii Motojiro-(2010/初演)
橋本 信/Sunset reflection(2011/初演)
ロクリアン正岡/アルトフルートとチェロによる音楽「男というもの」(2011/初演)
他アンソロジー2作品を予定

▼コンピュータ音楽 制作:莱 孝之

★小坂 直敏/新作(2011/初演)
小島 有利子/”Undulations” for viola and Max/MSP(2011/初演)
蒲池 愛/Paradox for Violin Solo and Live Electronics(2011/初演)
水野 みか子/string space
莱 孝之/新作(2011/初演)
他アンソロジー2作品を予定

▼ヴォーカル・アンサンブル 制作:鈴木 純明

白澤 道夫/opera phaze–dio fa(2011/初演)
門脇 治/Thee Xt as i.e.(2011/初演)
松尾 祐孝/Vocal Sinfonietta(日本初演)
坪能 克裕/新作(2011/初演)
他アンソロジー2作品を予定

 

2012年1月22日(日)2公演

▼ピアノ・デュオ 制作:金子仁美

石田 匡志/色界(2011/初演)
★奥貫 裕子/Hybrid(2008)
梶 俊男/bi – camorra(1998)
志田 笙子/清見寺 へ 暮れて 帰れば(2004-2005)
松平 頼曉/Kurtosis II(1982)
湯浅 譲二/2台のピアノのためのプロジェクション(2004)
他アンソロジー2作品を予定

▼室内楽II〜strings〜 制作:坪能克裕・松尾祐孝

岡坂 慶紀/ヴィオラとピアノのための《ダイアローグ》
倉内 直子/「光の場」ーヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための(2011/初演)
露木 正登/3つの断章〜チェロとピアノのための(2011/初演)
森田 泰之進/PRANA(2010/初演)
他アンソロジー2作品を予定

 

※タイトルや演奏順、アンソロジー作品の上演数は変更となる場合があります。「★」は一般公募からの選曲作品。

福士則夫のチビテッラ日記〜第11回〜


●第11回「カップルのガイド現れる」

自動走行のミニモノレール

自動走行のミニモノレール

22日(火)の遠足は城から最も近い街ペルージャに向けて出発。この日と24日にトスカナ地方へ行く旅行のガイドに何故かイタリア人の男女のカップルが雇われてわれわれに同行する。以前ペルージャで活躍していた中田英寿が駆け回ったサッカー場の広い駐車場に車を置き、中心街には自動で運行されているミニモノレールで小高い丘を登っていく。

どれにしようか?

どれにしようか?

たどり着いた大きな教会を前にしてガイドは身振り手振りで早速しゃべり始めるがこれがしばしの間続くと、恋人らしき女性がその後に続き延々とまた説明が始まる。中心の広場へ行く途中に洒落たお菓子でウインドーを飾っているカフェーがあり此処で一服。ペルージャはディエゴが城に来る6年前まで住んでいたらしく、顔なじみの店で昼食。くだんのガイドと向かい合わせになり又もやべらべらと喋り始めるが、彼の説明ではペルージャは塩の町で栄えたらしく、日本にも塩がキーワードになっている話があるかと聞かれる。何でこいつらフランス語も出来るのだと内心舌打ちをしながら、戦国時代の英雄である山国の武田信玄に上杉謙信が塩を送って戦いが一時休戦になった話をしたが、電子辞書を引き引き、冷や汗を流しながら食べる昼食は味わっている余裕がなかった。

町の中心地にある教会ではCAMBIOが描いたフレスコ画の中に、サインのつもりなのだろうか彼の肖像画も書き込まれた不思議な絵が並んでいた。再び車に乗り込んで、郊外にある現在はネスレの経営するチョコレート工場を見学。ペルージャのチョコレートは名物の一つらしいがウンブリアといえばなんと言ってもトスカナ地方のワインでしょう、と思いつつベルトコンベアに乗ったチョコレートの行方を目で追っていく。

サンドラおばちゃんの作品

サンドラおばちゃんの作品

途中のコーヒータイムでダーラが突然消えてしまったが戻ってきたときは二人づれ。最後の一週間は家族を呼び寄せても良いのだがどうやらペルージャまでやって来た奥さんを迎えに行ったらしい。現れたのはなんと新潟生まれの生粋の日本人、驚かそうと今回の事を私に黙っていたらしい。彼の口から時々日本語の単語が飛び出す理由がようやくわかった。帰路の車中では久しぶりに聞く日本語を懐かしみながら城に戻る。23日は今回のフェロー最後のプレゼンテーションでイタリア人ヴィジュアル作家サンドラが通っている工房でのレクチャー、その後に城に戻り2度目のレクチャー。粘土に絵付けした人形が並び、映像もアニメーションの世界に近く、少女趣味的で新鮮な驚きとかインパクトに欠けていたが、アメリカなどではかなり名の通った作家らしいのは意外だった。

★次回第12回「最後の遠足」予告

24日(木)は、いよいよワイン工場。と思ったらまずはトスカナ地方で最も古い教会のあるモンテプリツァーノから始まる。ここでまた例のガイドが活躍。説明の途中に逃げ出し、一人離れて教会の回りを散策していると、自由をモットーにしているアメリカ人ベスもデーヴィーもやはり勝手に気ままにうろついていた…

更新は10月19日(水)です。お楽しみに!

「宮本妥子パーカッションリサイタル」公募作品選曲発表


日本現代音楽協会会員・制作担当:中村典子

日本現代音楽協会(現音)の創立80周年記念事業の一環として開催される「宮本妥子パーカッションリサイタル」の公募作品選考会議が9月中旬、京都と東京を結んで行われ、リサイタルの全曲目が決定いたしましたので発表いたします。

公募作品からの選出は2作品となりました。東京会場と京都会場にすべての選考委員が集まり、作者名を伏せた譜面選考により討議を重ねました。宮本パーカッションリサイタルに寄せられプログラミングされている招待作品、会員作品、アンソロジー作品とのベストマッチングを熟考、奏者との密度高い恊働、首都圏外での現代音楽の更なる展開の場となる京都での本公演から新鮮な作品が発信できることを願い、さまざまな全ての条件をかんがみて作品選出にいたりました。

この選曲作品2曲の中から1曲を、2012年度に東京で開催する現音主催公演で再演する招待作品として選出します。招待作品の選出は、リサイタルに於いて聴衆の投票で決定します。みなさまぜひリサイタルにご参加くださり、投票にどうかご参加ください。宮本妥子パーカッションリサイタル、なにとぞご注目ご期待ください!

●選考委員
宮本妥子(滋賀・打楽器奏者)
増田真結(京都・現音作曲新人賞受賞者)福井とも子(大阪・現音理事)
田口雅英(奈良・現音会員)南川弥生(兵庫・現音会員)
伴谷晃二(広島・現音理事)松尾祐孝(東京・現音副会長)
坪能克裕(東京・日本現代音楽協会会長)中村典子(京都・企画制作者)

 

▼宮本妥子パーカッションリサイタル
2012年2月17日(金)19時開演(18時30分開場)京都芸術センター・フリースペース

●公募選出作品
◎小松淳史/You are sleeping in my hand 〜 for solo percussion〜(2011/初演)
京都市立芸術大学音楽学部作曲専攻卒業。十河陽一、藤島昌寿、松本日之春、前田守一、中村典子、岡田加津子の各氏に師事。第21回京都フランス音楽アカデミーにおいて、アラン・ゴーサン氏のクラスを修了。現在、京都市立芸術大学大学院音楽研究科作曲専攻修士1回生。

◎富田さやか/雨乞い(2011)
同志社女子大学学芸学部音楽学科作曲理論専攻卒業。同大学音楽学会《頌啓会》特別専修課程修了。在学中に中瀬古和音楽記念賞受賞。これまでに作曲を糀場富美子、成田和子、西村朗、細川俊夫の各氏に師事。現在、東京音楽大学大学院1年在学。

●会員作品
近藤浩平/けもののけはい 作品123(2011/初演)
諸橋玲子/玄II(2011/初演)
松永通温:A Dreamer and a Trespasser(2011/初演)
松尾祐孝/フォノX 〜打楽器独奏の為の狂詩曲<パイ>(2011/初演)
伴谷晃二/<ヒロシマの詩 I >マリンバのために(2010)

●アンソロジー作品
ジョージ・クラム/犬の世界 より(1998)

佐藤紀雄&山田岳ギターデュオリサイタル〜会員:中谷通


共に朝日現代音楽賞の受賞者でもあるギタリストの佐藤紀雄さんと山田岳さんによるコンサート「佐藤紀雄&山田岳 ギターデュオリサイタル」が、2011年10月25日(火)に東京オペラシティ近江楽堂にて行われます。このコンサートで初演していただく《2_1/64_1》ではギターの種類の選択はお任せしていたのですが、スチール弦ギターの生音で演奏する予定とのこと。以下にこの作品についてと、公演の詳細を記します。

《2_1/64_1》について:

左が440Hz、右がカスタムの388.36Hzの音叉。

左が440Hz、右がカスタムの388.36Hzの音叉。

【背景】
調的な音楽では、ある音高の振動周期を中心として、これと他の音程の振動周期が関わりを持つ。調性の本質が、周期的な現象間の関係性にあるとしたら、可聴域よりも長い周期をもつ時間現象も調的に構築することが可能といえる。そして、私たちが経験し続けている1日の周期との関係を築くこともできるはずだ。

【基準周期】
1939年に国際会議にて提案された A = 440Hz の国際基準ピッチは、後に発足したISO(国際標準化機構)によって国際規格に制定された。しかし、440という数字に具体的な根拠があるわけではなく、比率関係から成り立つ作品が参照する基準としては、どうしても信用することができなかった。この作品ではこのような周期ではなく、私たち地球上の生物がドローンや持続低音のように経験し続けている、1日の周期(約 0.000011574Hz)を基準周期とする。

388.36±0.05Hz

388.36±0.05Hz

【高次の基準】
これにより基準ピッチもまた、基準周期と整数比関係を持った相対的なピッチの一つとなる。オクターヴの比率関係を可聴域外の周期にも適用すると、1日の周期の25オクターヴ上の周期(G = 388.36Hz)がこの作品の基準ピッチに、17オクターヴ上の周期(M.M. 91)が基準テンポに、6オクターヴ上の1周期分(22分30秒)が全体の長さに定められたことになる。

【比率】
これらを基にして、ピッチやリズムなどを含めた全てのオクターヴ内の周期が、41の整数比関係(256 : 260 : 264 : 270 : 273 : 280 : 286 : 288 : 294 : 297 : 300 : 308 : 312 : 315 : 320 : 324 : 330 : 336 : 352 : 360 : 363 : 364 : 378 : 384 : 390 : 392 : 396 : 400 : 416 : 420 : 429 : 432 : 440 : 448 : 450 : 462 : 468 : 480 : 484 : 495 : 504)の中で、縦横に関わり合う。
【楽器と演奏】
特殊調弦された2本のギターは自然ハーモニクスのみで演奏され、ギター弦とフレットが接触する事は一度も無い。

 

公演チラシ

公演チラシ

▼佐藤紀雄&山田岳ギターデュオリサイタル

【日時・場所】
2011年10月25日(火)18:30会場/19:00開演
東京オペラシティ 近江楽堂

【曲目】
中谷 通:2_1/64_1 (2009)
向井 耕平:4つの詩曲 (1992)
ジャック・ボディ:アフリカン・ストリングス (2003)
スコット・ジョンソン:バワリー・ハウント (2005)
エベルト・ヴァスケス:エスパシオス・トランシトリオス (2000)

【料金】
前売2500円 当日3000円

福士則夫のチビテッラ日記〜第10回〜


●第10回「地獄の買い出し」

7月17日(木)、このところ買出しに出掛けるのがいつなのか全く情報がない。城での生活も1ケ月が過ぎ、慣れてきた連中は勝手気ままに車を借りて町のスーパーに行っているのであろう。城の4階にある小さなキッチンにはミルク、珈琲、紅茶、バター、シリアルなどが用意されていて勝手に使えるのであるが、パンやジャム、チーズなどは自分で調達しなければならない。散歩がてら町に買出しに行かないかとのセルジオから声がかかる。他の二人といえば運動が欠かせない巨大な胴回りのジェシカとコーラが手放せないチカ。

ジェシカとチカに支えられて

ジェシカとチカに支えられて

ウンブリアの丘を一望しながら城から一気に下りる往きの道はセルジオが絶賛するだけのことはある景観なのだが、トウモロコシ畑を過ぎ、ひまわり畑近くのアップダウンを繰り返すうちに陽射しの強さにだんだんと不安になる。これで帰りはどうなるのか想像がつかぬまま45分ほど歩いてCOOPスーパーにたどり着く。涼しい店内に入ると帰りのことはすっかり忘れてパンにヨーグルトにチョコレートにプリンにビスケットを袋に詰め込み出発。因みにスーパーの袋は有料で皆ポケットに予めビニール袋を突っ込んでジャワジャワいわせている。店を出ればすぐだらだらと道は上り始めるのだが、歩道の照り返しがきつい。アスファルト道に街路樹はあるが、畑道に入ると木陰はなし。途中で3人ずつ撮ったデジ写真を見ると、地獄を見てしまったたような、こわばった顔のサングラス男がジェシカとチカのこぼれるような作り笑い顔の真ん中で二人に支えられている。二度と見たくない代物である。

結局皆に置いていかれて、ほんの小さな灌木の木陰を見つけては休憩しつつ疲労困憊して城に近づくが、城の外側の塀が見えても、ここからがまた一苦労なのである。防衛上のためもあるだろうが城への道は突然勾配がきつく作られている。本当に死ぬ思いで一歩一歩前進しながら帰りは一時間以上かかったろうか。まずは冷蔵庫に品物を放り込むがチョコレートが薄く広がってグンニャリ融けていた。これが再び固まるとどういう形になるのだろうか想像すると恐ろしい。シャワーを浴びてしばらく身体の回復を待つ事にする。

今日のプレゼンテーションはデーヴィッド通称デーヴィーのピアノエチュード作品とピアノコンツェルト。いつもTシャツの彼が此処に来て以来始めて見るネクタイ姿と作品の内容が共に大真面目だったのは全く予想外の出来事だった。18日はノルチアに小旅行。四方を山に囲まれた盆地の小さな町で、シーズンにはスキーやトレッキングでにぎわう町らしい。いたる所に猪の首や猪そのものが看板になっていて猪のサラミや珍しいチーズが置いてある店が立ち並ぶ。参加者は皆名物品をそれぞれ土産に買っていたが、獣特有の臭い匂いがたまらずここは見物だけで済ます。

デーヴィがネクタイを!

デーヴィがネクタイを!

ウォーッ本物

ウォーッ本物

ノルチアのMonti Sibillini国立公園

ノルチアのMonti Sibillini国立公園

2,000メートル級の裸山を見ながらレストランでミルクソース味のノルチアパスタを食べたが味が曖昧で名物に旨いものなしのお手本、城のオリーブで味付けたパスタのほうがよほど美味い。20日には此処に来て書き始めた女声合唱がようやく終了。ディエゴに聞いて伊訳したタイトルは「BREZZA D’UMBRIA」に決定する。

★次回第11回「カップルのガイド現れる」予告

22日(火)の遠足は城から最も近い街ペルージャに向けて出発。この日と24日にトスカナ地方へ行く旅行のガイドに何故かイタリア人の男女のカップルが雇われてわれわれに同行する。以前ペルージャで活躍していた中田英寿が駆け回ったサッカー場の広い駐車場に車を置き、中心街には自動で運行されているミニモノレールで小高い丘を登っていく…

更新は10月12日(水)です。お楽しみに!