日本現代音楽協会2018年度コンサートスケジュール


 

〈現音・秋の音楽展2018〉

11月2日(金)
現代音楽演奏コンクール“競楽XIII”予選第1日目
会場:けやきホール(代々木上原)

11月3日(土)
現代音楽演奏コンクール“競楽XIII”予選第2日目
会場:けやきホール(代々木上原)

11月5日(月)
世界に開く窓 エレクトロニクスの新展開―作曲家シュテファン・プリンス初来日
会場:牛込箪笥区民ホール(牛込神楽坂)

11月29日(木)
いま聴く 生まれたての音符たち アンデパンダン展 第1夜
会場:東京オペラシティリサイタルホール(初台)

11月30日(金)
いま聴く 生まれたての音符たち アンデパンダン展 第2夜
会場:東京オペラシティリサイタルホール(初台)

12月16日(日)
現代音楽演奏コンクール“競楽XIII”本選
会場:けやきホール(代々木上原)
審査委員:近藤譲(長)、浅岡寿雄、一柳慧、北爪道夫、佐藤紀雄

 

〈現代の音楽展2019〉

3月1日(金)
現代の音楽と対位法
会場:東京オペラシティリサイタルホール(初台)
◎第一部 第35回現音作曲新人賞本選会
審査員:鈴木純明(長)、徳永崇、渡辺俊哉
◎第二部 現代の音楽と対位法

3月8日(金)
中川日出鷹ファゴットリサイタル
会場:豊中市立文化芸術センター1階多目的室(曽根)

第13回現代音楽演奏コンクール“競楽XIII”第1位受賞の言葉〜白小路紗季(ヴァイオリン)


長年憧れていた“競楽”にやっと挑戦する事ができて、このような結果をいただき、本当に夢を見ているような気持ちです。
本選では、自分の出番の後の第二部からすべて客席で聴くことが出来たのですが、こんなにコンサートに夢中になった事があったかなという程、一時も目も耳も離すことができないでいました。

“競楽”ではこのコンクールのスタンス上、演奏自体ではなく自分の決めたプログラムの魅力を最後まで研究しようと思い、直前まで楽譜を読み返しました。そうしていくうちに、曲へのイメージが常に更新されていって、解釈に完成というものはないと改めて気づかされました。
また現代音楽は新しい技術との出会いというのも大きくて、試したこともないような運指やボウイングの練習を始められるというのも、準備している中での楽しみでした。
演奏は永遠に進化できるということを痛感できたのが、今回の参加を通じて一番大きかったです。競楽に年齢制限がないのも、そのためなのかなと考えております。

現代音楽では実際に作曲家の方とお会いして、その方の持つキャラクターや世界観を感じ取ることができるのも、奏者の楽しみのひとつだと思います。
譜面だけ見ると非常に遠い存在に感じますが、実際にお会いしてお話を伺うと、意外なほど楽譜と距離を縮めることができます。この面白さは、演奏する私たちの最大の特権です。
競楽での出会いを機に、これからよりたくさんの作曲家の方たちと触れ合う事が出来れば、こんなに嬉しいことはありません。

最後になりますが、審査委員の先生方はじめ事務局の皆様、これまでご指導してくださった先生方に心よりお礼申し上げます。

 

白小路紗季(ヴァイオリン)
桐朋女子高等学校、東京藝術大学卒業。メニューイン国際ヴァイオリンコンクールジュニア部門入賞後、ABC新人オーディションに合格。Delirium Ensembleのヴァイオリン兼ヴィオラ奏者としてCaspar Johannes Walterを始め数多くの作曲家の作品を『ワルシャワの秋』音楽祭等で初演。べルン芸術大学特別修士課程現代音楽科在籍。石川誠子、原田幸一郎、神谷美千子、漆原朝子、Tianwa Yang、Jörg-Wolfgang Jahnの各氏に師事。

レクチャー「対位法の三つの顔」(講師:近藤譲)1月12日国立音楽大学で開催 入場無料!


国立音楽大学「ワークショップ」番外編
日本現代音楽協会「現代の音楽と対位法」サテライト企画
「対位法の三つの顔」

2019年112(土)16:30開場 17:00開演
国立音楽大学 新1号館内 合唱スタジオ

入場無料

※本ワークショップは、2019年3月1日(金)東京オペラシティリサイタルホールで開催される、日本現代音楽協会主催「現代の音楽と対位法〜第35回現音作曲新人賞本選会」の関連企画として開催されるものです。

講師:近藤 譲(作曲/日本現代音楽協会会長)
演奏:井上郷子(ピアノ/国立音楽大学教授)
司会:川島素晴(作曲/国立音楽大学准教授)

演奏曲:近藤 譲《間奏曲》等(2017)

対位法は、言うまでもなく、ポリフォニーと不可分の関係にある作曲技術です。西洋音楽の歴史の中でポリフォニーの端緒を開いた11世紀のオルガヌムから今日まで、その長い歴史の全体を俯瞰してみると、対位法には、三つの顔があることに気付きます。一つは、複数のそれぞれに独立した旋律線を(継時的に並置するのではなく)同時に組み合わせることとしての対位法。二つには、響きに幅や厚みをもたせることとしての対位法そして三つには、聴き方としての対位法です。こうした三つを並べてみると、最初の二つは作曲法、そして最後の一つは知覚のモードであるように思えるかもしれません。しかしこれら三つの顔は、実のところ、対位法を意識して作曲された曲の全てに(曲によって強調点の違いはあるものの)一体となって同時に存在しています。
この講演では、先ず、歴史上の古典的なポリフォニー作品の中に、対位法の三つの顔を確認し、それらの20世紀の音楽への係りを見て、その上で、私自身の作品の例を通じて、今日の音楽における対位法の意味合いを考えます。(近藤 譲)

●お問合わせ:日本現代音楽協会 電話:03-6417-0393

第35回現音作曲新人賞入選者発表


第35回現音作曲新人賞の譜面審査を行いました(テーマ:現代の音楽と対位法)。
全31作の応募の中から、鈴木純明審査員長、徳永崇・渡辺俊哉審査員による厳正な審査の結果、新人賞候補作品(入選作)に下記の4作が選ばれました。
2019年3月1日(金)18:30開演、東京オペラシティリサイタルホールにて行われる〈現代の音楽展2019〉「現代の音楽と対位法」に於いて、演奏審査により新人賞受賞作を決定します。

 

■入選作(作曲者名五十音順に表記)

有吉 佑仁郎(Yujiro ARIYOSHI)日本
《DISCO for 4 Players》cl, vn, vc, pf
1994年生まれ。現在、東京藝術大学音楽学部作曲科3年次在学中。2018年第87回日本音楽コンクール作曲部門第3位入賞。作曲を小鍛冶邦隆氏に師事。

张天阳(Tian Yang ZHANG)中国
《Landscape Painting Essay “Rocky Stream”》vc, fl, cl, pf
1995年生まれ。2013年に上海音楽学院に入学し作曲をGuohui YE氏に師事。2016年から1年間交換留学でHfMT HamburgでFredrik Schwenk氏に師事。

波立 裕矢(Yuya HARYU)日本
《蝶と蝶(重力III)》fl, cl, pf, vc
1995年生まれ。作曲を鈴木純明、山本裕之、久留智之、小崎光洋の各氏に師事。現在、東京藝術大学音楽研究科作曲専攻在学中。

松本 真結子(Mayuko MATSUMOTO)日本
《The Wandering Memory》fl, cl, vn, vc
1994年生まれ。作曲を伊藤弘之、菱沼尚子、小林純生の各氏に師事。現在、日本大学大学院芸術学研究科音楽芸術専攻(作曲)に在籍。

 

★次回、2019年度「第36回現音作曲新人賞」募集要項を発表しました。詳細はこちら

アンデパンダン展レポート


アンデパンダン展に参加して

アンデパンダン展 第一夜出品
曲名:Blue Scale Tracing(2017)再演
演奏:小林倫子(ヴァイオリン)
                                         神長 貞行

私にとりましては初めての出品で、恥ずかしながら年甲斐もなく緊張致しました。お世話になりました現音協会関係者の皆様をはじめ、多くのスタッフの皆様に、心から感謝を申し上げます。また、このような素晴らしい発表の場を頂き、皆様と共に貴重な時間を共有できましたこと、得難い大きな喜びでございます。ありがとうございました。
冒頭、国際部長の福井とも子さんのご挨拶の中にもご説明がありましたが、今回は韓国の若い作家さんの作品がご披露されました。私は都合により第一夜にしか伺えませんでしたが、お二人の感性あふれる作品は本当に素晴らしく、感動いたしました。
また、ずらりと並んだ国内作家の皆さんの作品もいずれも佳作揃いで、しかもどれ一つとして個性が被らないという、独創的なもの。これこそアンデパンダン展ならではの醍醐味だろうと思いました。実に楽しかったです。
拙作に関しましては、抜群のテクニックとセンスを持たれる小林倫子さんの名演に助けられまして、内に描いていた幽玄の世界が見事に浮かび上がったように思い、満足しております。
ありがとうございました。
次回また都合が整えば、ぜひ出品させて頂きたいと思います。

 

 

現代音楽の病根を除去するにはコンサートを魂の混浴の場にするのが一番

―現音・秋の音楽展2018アンデパンダン展、出品作サックストリオについて
(プログラムの文章、並びに現音HPの「出品者からのメッセージ」に続くものとして)
                                      ロクリアン正岡

10年以上前にも「芸術音楽に大衆性は必要か!?」が現音機関紙で特集されたがこれは現音が長く罹患するトラウマだろう。がそもそも二つに分けるところがまずいと私は思う。
片や芸術性(とりわけ現代音楽的最先端性)、片や大衆性(ポップス)をそれぞれに誇るトラウマ無しの作曲家も含めての話である。ちょうど男女共同参画とはじめから男女別に拘る前提を設けておきながら、「個人によるから男女の違いに拘ることはない」、と来るのと同じ理屈だ。

リゲティやクセナキスなどのメッセージ性のない、でっち上げのコンセプトで構えられたデザイン音楽が現代音楽の主流(筆者の見方)という状況下、日本人の多くの作曲家は自らの良心を芸術性、大衆性の両極に引き裂かれながらも主流に身を任せてしまっているようだ。クセナキスのザスにせよ、リゲティのハンガリア風パッサカリアにせよ、まるで作曲者の音響や音組成の支配力を誇示するための見世物だ。ああ、音楽本来の役目を放棄した作品主義者とは?!

いずれにせよ、現代の知者の一人養老孟司氏唱えるバカの壁は、いたるところ、そう芸術、音楽内部でも増える一方のようである。

私はある時、自転車を引っ張って歩くオバサンバイクをすっ飛ばす少年のすれ違う様を目の当たりにした。冷たい「バカの壁」が両者の間に高くそそり立ったことは間違いない。それは同時にこの作曲への意志が芽生えた瞬間でもあった。自転車は乗って走らせるべき物〈引き摺って歩くなど残酷ではないか〉。私は「老女というもの(現在名「メランコリア」ユーチューブにあり)」をその直後に作曲したが、それは少年の方のバカの壁を取り去る目的であった。今回、私は客席の主役をオバサン達とし、その「壁」をぶち壊そうとしたのである。

以下はオバサンではないがバイクには縁がなさそうな76歳の男性からのコメント(全文)
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演奏会楽しませていただきました。「バイク少年三人組ライブ」は仲の良い3人の語らい。人間がしゃべるようなサックスの音色でいい曲が出来ましたね。耳に入る音から映像が見えるような3人のドラマを感じました。久しぶりに集まった3人がそれぞれに近況を語り、勝手なおしゃべりが続く。そのうちにリーダー格のバリトンサックスが話をリードして他の2人を指導するように語り始める。二人はリーダーの言うことに耳を傾け、うなずくように同意を語る。リーダーはなお説得力ある語りを続けるうちに、他の二人はそれに同意と喜びを表し大きくうなずき、声をあげる。そのうち3人は話が合い、一緒にいる事がこんなに楽しいよ、さあ今日もバイクで一緒に走ろう、そうだ、そうだ、私たちはいい仲間だ、これほどうれしく楽しいことはない。そうだ、そうだ!
サックスはいい音を出します。人の声のようだ。音楽がいろいろの言葉を連想させる。仲の良い3人の楽しげな会話、それもバイク仲間ならではの普通でない心のリズムがある。独特でなおリズミカルな調子はいつものように和音の美しさを損なわないように配慮した音階で違和感なく耳に響いた。人をおどかすような奇抜な音を出さず「特殊や断片への偏愛」を出さず、現代音楽としてそれを頼りとせず、音楽的で心で聞くことが出来た。飽きさせない展開、迫力があり、バイク少年3人のやんちゃぶり、まじめさ、意気投合などの進展が感じられ、最後まで緩むことなく、期待感を持たせて音楽が進み納得の心地良さがあった。この曲はいろいろな場と音楽家によって演奏されることになるように思いますが。
直感的な感想を書きました。                春宮伸光:カトリック浅草教会信徒

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私は自分の個性を克服されるべき“異物”として用いるところの普遍主義者である。現代の世界を見渡せば、芸術に貴族や大衆の区別は不要と思う。現代音楽に徹底的に欠けているのは根深いメッセージ性(“表現の種”たりうるもの)であろう。作品はメッセージも持たない作曲者の空しさを隠すためのお飾りであって良いのか?美は蓋ではない。内なる真実の輝き出でる様、それが美である。現代音楽のコンサート会場は“魂”の混浴の場である事が理想だと、私は思う。

*なお、クリスマスまでにコンサートライブの模様をユーチューブに投稿できていると思います。どうかお確かめください。                               2018.12.22

追記:アンケート用紙は配られたが回収されたのは一枚。場内アナウンスが欲しいところ。
楽譜の陳列については予め出品者に呼びかけられたい。特例として許されても気まずさが残る。